2009.09.07
頭痛ダイアリーの活用法
頭痛ダイアリーは問診に加えて、より多くの情報が含まれ、服薬指導の有用な手段にもなる、患者―医師コミュニケーションを進めるためにも有用で、問診と組み合わせて使用することが勧められる(日本頭痛学会ガイドラインより)。
頭痛ダイアリー [link]
1)片頭痛がわかる
2)緊張型頭痛がわかる
3)典型的な週末片頭痛
4)月経片頭痛
5)片頭痛の前兆
6)頭痛ダイアリーで服薬指導


1)片頭痛がわかる
  週末、連休に起こりやすいことがわかります。1ヶ月間に強い頭痛の発作が3回あり、それぞれ1〜3日続きます。片頭痛は仕事やストレスの最中よりも、ストレスから解放されてほっとした時に起っており、片頭痛に特徴的です。





2)緊張型頭痛がわかる
  毎日、一日中の頭痛です。ストレスの多いときに起こりやすく、「ストレス頭痛」とも呼ばれます。眼の疲れ、肩こりを伴います。軽度〜中等度の頭痛ですが、毎日なのでとてもうっとうしく、生活に支障を来すことがあります。





3)典型的な週末片頭痛
  典型的な週末片頭痛です。片頭痛は、仕事のストレスから解放される週末や休日によく起こります。週末の買い物やレジャーをキャンセルしたり、あるいは頭痛をじっと我慢しながら週末を過ごすことになります。家族に嫌われ、頭痛の悩みがさらに大きくなります。月曜日まで頭痛の続くこともあります。





4)月経片頭痛
  片頭痛は月経の前後に起こりやすいのも特徴です。このダイアリーでは6月7日の月経前日から片頭痛が起こり始め、3日間続いています。エストロゲンなどのホルモンが急に低下する時期です。片頭痛は、生体のリズムや周囲の環境の急激な変化が誘因となって起こります。このダイアリーの5月29日〜30日にも軽い片頭痛があり、排卵の時期に一致しているようです。患者さんにとっては大発見でした。





5)片頭痛の前兆
  片頭痛発作の直前に前兆と呼ばれる現象の起こることがあります。この患者さんに起こった前兆は、閃W暗点と呼ばれる視覚の異常です。大脳の後頭葉の刺激症状で、キラキラしたジグザグ模様が視野の中心から左右どちらかの視野に拡大していきます。約15〜30分続き、前兆が終わると頭痛が始まります。





6)頭痛ダイアリーで服薬指導
  片頭痛治療の第一歩は、頭痛発作が来てもなんとかなる方法を知ることです。片頭痛が始まったら、なるべく早く片頭痛の頓服薬であるトリプタン薬(イミグラン、ゾーミッグ、レルパクス、マクサルト、アマージなど)を飲むことです。
  片頭痛はセロトニンの多い胃・腸に症状が出やすく、胃・腸の動きを止めたり(胃部不快感)、逆方向に動かします(はき気、おう吐)。片頭痛の気配がしたらナウゼリンのように胃・腸の動きを調整する薬を先ず飲んでおきます。頭痛が起こったときに飲むトリプタンが胃・腸から効率よく吸収されます。




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